ドイツSchüco

Sustainability / Logistics / Building Envelope

Schüco、物流の電動化を開始

海外建材にも、製品性能だけでなく、原材料・製造・物流・保守・再利用まで含む環境説明が求められる時代へ。

2026.08.02
Aikawa 3F Schüco Technical Journal
Photo: Schüco

Schücoは2026年7月、ドイツ国内の物流に大型電動トラックを導入しました。
この動きは、窓・ドア・ファサードの性能だけでなく、原材料、製造、輸送、使用、保守、再利用まで、
建物外皮のライフサイクル全体を持続可能にするというSchücoの姿勢を示すものです。

目次

物流の電動化は、単なる車両更新ではない

建築材料の環境性能は、完成した製品の断熱性能だけでは測れません。
原材料をどこから調達し、どのように製造し、どの距離を輸送し、
建物に設置された後にどの程度長く使え、最終的に分解・再利用できるか。
こうした一連のプロセスが、建築の脱炭素化を考えるうえで重要になっています。

Schücoによる物流車両の電動化は、サプライチェーンにおけるCO₂排出量を低減し、
自社の環境戦略を製品の外側にまで広げる取り組みです。
これは、建築業界が「高性能な製品を選ぶ」段階から、
「ライフサイクル全体を説明できる製品と企業を選ぶ」段階へ移行していることを象徴しています。

評価されるのは、窓の性能だけではありません。
原材料、製造、物流、施工、長期使用、保守、回収、再資源化までを含めて、
建物外皮がどのような環境価値を持つかが問われ始めています。

Schücoは「窓メーカー」を超えた建物外皮のシステム企業

Schücoは、アルミ、スチール、PVC-Uによる窓、ドア、スライディングシステム、
ファサードなど、建物外皮のシステムソリューションを世界各国に提供しています。
さらに、企画・設計支援、デジタルデータ、加工機械、製作、施工、保守まで、
建築プロジェクトの各段階を支える仕組みを整えています。

したがってSchücoを評価する際には、「ドイツ製で断熱性能が高い」という説明だけでは不十分です。
性能、意匠、耐久性、デジタル設計、製作精度、サービス、
そしてサステナビリティを一体として捉える必要があります。

日本の設計・不動産市場で求められる環境情報

今後、設計事務所、デベロッパー、ゼネコン、建物オーナーが海外建材を採用する際、
次のような情報を求める場面が増えると考えられます。

  • アルミ形材に含まれる再生材の割合と調達経路
  • EPD(環境製品宣言)など、第三者検証を伴う環境情報
  • 原材料調達、製造、輸送に伴うCO₂排出量
  • 製品寿命、耐久性、維持保全計画
  • ガラス、金物、ガスケットなど消耗部品の交換可能性
  • 解体時の分別、回収、再利用、リサイクルの考え方
  • 国内加工・国内組立による輸送合理化とトレーサビリティ

日本国内で加工・組立する意味

相川スリーエフは、Schücoシステムを日本国内で加工・組立するファブリケーターとして、
製品供給だけではなく、設計、製作、品質管理、納期、保守まで含めた体制を構築しています。
ドイツから完成品を輸入する方法と比較した場合、国内製作には次の価値があります。

1. 輸送の合理化

完成品ではなく必要な部材を適切に輸送し、国内で加工することで、案件条件に応じた物流計画を組み立てやすくなります。

2. 製作の見える化

加工、組立、検査、出荷の履歴を国内で管理し、品質とトレーサビリティを明確にできます。

3. 長期保守への対応

ガラス、金物、ガスケットなどの交換や調整に、国内の技術者と製作設備を活用できます。

4. 日本の建築条件への対応

設計条件、施工方法、気候、法規、現場工程を踏まえ、日本国内のプロジェクトに適した納まりを検討できます。

「高断熱」から「ライフサイクル価値」へ

建築分野では、断熱性能、気密性能、水密性能、耐風圧性能、遮音性能などの数値評価が不可欠です。
一方で、今後はそれらに加えて、LCA、EPD、エンボディドカーボン、
サーキュラーエコノミー、長寿命化といった評価軸が、より重要になります。

建物外皮は、建築物のエネルギー消費、室内環境、外観、耐久性、資産価値に長期間影響します。
だからこそ、導入時の価格や性能だけでなく、建物の使用期間全体を見据えた選択が必要です。

相川スリーエフが目指す情報発信

私たちは、Schüco製品を紹介するだけのウェブサイトではなく、
世界で進む建物外皮技術、脱炭素、資源循環、デジタル設計、
製作・施工・保守の動向を、日本の建築実務に結び付けて伝える専門メディアを目指します。

設計事務所、デベロッパー、ゼネコン、ファブリケーター、建物オーナー、
そして住まい手にとって、Schücoを正しく理解し、プロジェクトに活用するための情報基盤となること。
それが、国内認定ファブリケーターとして果たすべき役割の一つだと考えています。

Schücoの設計・製作・採用に関するご相談

大開口サッシ、ドレーキップ、スライディングシステム、折れ戸、ファサードなど、
計画初期から設計・製作・施工条件を検討します。

お問い合わせ

画像:Schüco提供。Schücoの名称および関連商標は、各権利者に帰属します。
本記事は、相川スリーエフが日本の建築実務への示唆を加えて編集したものです。

 

この記事を書いた人

Aikawaのアバター Aikawa (株)相川スリーエフ  代表取締役会長CEO

新日軽(現LIXIL)船橋カレッジでビルサッシ技術を基礎から徹底的に習得し、施工・品質管理・現場調整まで一連の工程を実務で経験。

1947年創業の相川スリーエフ三代目として、建材から建築へと事業領域を拡大。
現在はドイツSchüco製品の国内展開を牽引し、設計事務所・ディベロッパー向けの技術支援体制を直轄で統括している。

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