GBJシンポジウム2025サーキュラーエコノミーSchüco / シューコー

GBJシンポジウム2025
サーキュラーエコノミー
Schüco / シューコー

断熱の次に来る「ゆりかご」
— 窓は“性能部材”から“資産価値を定義するインフラ”へ

いま、日本の建築はようやく本格的に動き出しました。ZEB/ZEH、断熱等級、改修補助…「運用時の省エネ」を、設計事務所もディベロッパーも正面から語れる土壌が整いつつあります。
しかし欧州は、その一歩先で評価の主戦場を変えています。焦点は、断熱(U値)そのものではなく、ホールライフでの炭素へ。そして次の勝負どころが、解体後に資源として戻る=ゆりかご(Cradle to Cradle)です。

検索想定:アルミサッシ 高断熱/カーテンウォール/大開口/フォールディングドア/ホテルファサード
検索想定:低炭素アルミ/リサイクルアルミ/EPD/C2C/サーキュラー建築
検索想定:再開発 外皮更新/ディベロッパー ESG/カーディーラー ガラスファサード
リサイクル材(スクラップ)を手にするイメージ:サーキュラーエコノミーと低炭素素材

Image: schueco.com

1. GBJシンポジウム2025登壇報告:サーキュラーエコノミーが拓くグリーンビルディング

一般社団法人グリーンビルディングジャパン(GBJ)主催のシンポジウムが開催され、Schüco Japan社長 センチャイ・コエク氏が登壇しました。テーマは「サーキュラーエコノミーが拓くグリーンビルディングの可能性」
建築業界が直面する課題を、単なる省エネ(運用)ではなく、資源循環・解体後の回収・再資源化まで含む設計としてどう実装するか——その“現場に落ちる言葉”で語られています。


GBJシンポジウム2025(YouTubeサムネイル)— パネルディスカッション 第2部
動画で視聴:
GBJシンポジウム2025 パネルディスカッション(YouTube)
|クリックでYouTubeへ
GBJシンポジウム会場の様子
GBJシンポジウム会場の様子(提供画像)
ここが重要:
「環境に配慮しています」という“宣言”ではなく、建物の投資ストーリーとして説明できる形に落とし込めるかどうか。
これが、設計事務所・ディベロッパー・ホテル運営会社・再開発会社にとっての勝敗を分け始めています。

2. 評価軸の転換:断熱(運用)から、ホールライフカーボンと循環へ

省エネの世界は、どうしてもB6(運用)に偏りがちです。しかし、断熱化が進めば進むほど、運用削減の伸びしろは逓減します。
相対的に効いてくるのが、次の領域です。

  • A:材料製造・施工の炭素(エンボディドカーボン/Embodied Carbon)
  • C:解体・廃棄
  • D:再利用・再資源化がもたらす便益(=ゆりかごに戻る)
日本のビルサッシは高断熱サッシがない(課題イメージ)
外皮の“当たり前”を更新できるかが、プロジェクトの格を左右する(提供画像)
家庭部門CO2排出量の推移(環境省統計の図表)
参考:家庭部門CO2排出量の推移(環境省 図表)—「省エネ」の次は、材料・解体・循環の説明責任へ

窓・ファサードは「熱・光・意匠・構造・更新」を同時に背負う“建築の前提条件”。
だからこそ、運用だけではなく、材料と循環まで含めて最初から戦略化される領域になりました。

設計会議の翻訳:

  • 断熱は「運用コスト」と「快適性」を下げる(当然)
  • 低炭素材と循環設計は「建物の投資ストーリー」と「将来の価値残り」をつくる
  • そして“証明可能性(EPD / C2C / 環境ラベル等)”が、調達・入札・ESG説明責任を決める

3. 「ゆりかご」は理念ではない:解体後の運命を設計で決める

Cradle to Cradle(C2C/ゆりかご)は、綺麗な理念で終わる言葉ではありません。
解体後の運命(分別できるか、回収できるか、再資源化できるか)を、設計段階で決めるという実務の話です。

ディベロッパーや再開発事業者が欲しいのは、「環境に配慮しています」ではなく、将来の解体局面で“資産がどう扱われるか”を説明できる状態です。
そこでは、窓・カーテンウォール・ドア(アルミサッシ、ファサード)こそが最前線になります。

リサイクルアルミを使うサスティナブルなSchüco(シューコー)
循環型素材(リサイクルアルミ)を、建築の“標準仕様”へ(提供画像)
Schücoがドイツで取り組む事業(新築・リニューアルの環境改善)
新築だけでなく、既存建物の価値向上(リニューアル)まで含めたアプローチ(提供画像)
“説明責任の設計”チェックリスト:

  • リサイクルしやすい構成か(分別・回収の現実性)
  • 材料の由来と環境負荷を示せるか(EPD、第三者検証、環境ラベル)
  • 更新・保全(メンテ・部材交換)を前提に、長寿命化できるか
  • 意匠と性能の両立が、売価・賃料・ブランドに跳ね返る設計になっているか

4. 欧州の空気:PVCが消えるのではなく“プレミアムの文脈”が変わった

ここは誤解なく言い切ります。欧州でPVC(樹脂)が即座に消えるわけではありません。
ただし、高付加価値市場(プレミアム領域)での“見え方”が変わり始めている
サステナブルをホールライフ×循環×意匠で語るとき、プレミアムの文脈は「高性能・高耐久・美しいデザイン」へ収束しやすい。
そしてそこに、アルミ(アルミサッシ/カーテンウォール)が強いのです。

  • 高断熱化:熱遮断技術、トリプルガラスの標準化、外皮性能の底上げ
  • 大開口・細フレーム:建築体験をつくる透明性、構造性能、納まり
  • 長寿命と保全性:更新・維持の計画が立つ=資産価値が残る
  • 循環と低炭素材:リサイクルアルミ/低炭素アルミの“証明”が効く

日本は今、まだ「断熱=樹脂」という固定観念の中にいる。
しかし数年後、ホールライフカーボンと循環が評価軸の中心になったとき、樹脂だけで語る建物は“古く見える”可能性がある。
それは性能の優劣ではなく、時代の説明言語が変わるという意味で。

Schüco フォールディングスライディング(大開口)イメージ
大開口×細フレーム×高断熱は、プレミアム建築の“体験価値”を決める(Image: schueco.com)
都市景観と緑化ファサード:持続可能な建築のイメージ
外皮が、都市・環境・ブランドを同時に背負う時代(Image: schueco.com)
設計実務のリアル:
欧州の上流で問われるのは「断熱してますか?」ではなく、“この外皮は、建物の寿命の最後にどう循環するのか?”です。
そこに、アルミの耐久性・意匠・回収価値(スクラップとしての価値)という“現実”が乗ります。

5. 決定打:Schüco × LIXIL × PremiAL(プレミアル)で“実装”へ

ディベロッパーにとって一番大事なのは、思想ではなく供給と仕様化です。
いくら理想的でも、調達できない/納まりが決まらない/説明責任の根拠が出せない——ではプロジェクトになりません。

ここで注目したいのが、SchücoとLIXILのパートナーシップ、そして循環型低炭素アルミ「PremiAL(プレミアル)」の存在です。
これから先、リサイクルアルミ(低炭素アルミ)+高断熱性能+トリプルガラスが“当たり前”になっていく世界で、
美しいアルミを、プロジェクト仕様に落とし込める時代に入っています。

Schücoという企業(売上高ほか)
Schücoという企業の規模感と背景(提供画像)
循環型低炭素アルミ PremiAL(プレミアル)イメージ
循環型低炭素アルミ「PremiAL(プレミアル)」— リサイクルアルミを“標準化”する発想(Image: lixil.co.jp)
PremiALのGHG排出量・削減効果(イメージ)
低炭素素材の“見える化”は、入札・調達・ESG説明の武器になる(Image: lixil.co.jp)
ここで言いたいのは、単なるコラボではありません。

  • 循環型(リサイクル)アルミ=低炭素アルミを、現実の調達に乗せる
  • 高断熱化(次世代の標準)とトリプルガラスを含む外皮性能を、意匠と両立させる
  • 第三者検証・環境ラベル・EPDなど、“証明”の土台を整えやすい
  • 設計者が欲しいディテール、ディベロッパーが欲しい説明責任、運営者が欲しい長期価値を同時に満たす

6. 設計・事業目線の実務:ホテル/カーディーラー/再開発企業様で「窓」が効く理由

6-1. ホテル運営会社:外皮は“稼働率”と“RevPAR”の装置になる

ホテルの評価は、最後は体験価値です。静けさ、快適さ、結露の少なさ、室内の温熱ムラ、眺望の透明感。
これらは全て、窓・ファサード(アルミサッシ/カーテンウォール)が決めます。
高断熱・高気密・遮音・日射制御・意匠性を同時に満たす外皮は、運営面では空調負荷・クレーム・保全コストを下げ、
事業面ではブランドの格と価格を押し上げます。

6-2. カーディーラー:ガラスファサードは“商品価値”を引き上げる舞台装置

カーディーラーやショールームは、日射・照明・反射・外気温・騒音・防犯の条件が厳しい。
それでも「透明感」と「美しさ」が命です。細フレーム×大開口×高断熱は、
車両の質感を最大化し、空間の格を一段上げる。さらに、運用の観点では空調効率結露抑制が効いてきます。
つまり、外皮は“設備”ではなく、販売を支えるインフラです。

6-3. 再開発会社・大規模改修:外皮更新は“次の20年”の収益を決める

再開発や既存ビルのバリューアップでは、内装更新だけでは勝てません。
テナントが求めるのは、快適さ・眺望・遮音・温熱・光環境、そしてESGの説明可能性。
ここで窓・カーテンウォール更新(あるいは高性能化)が、賃料・空室率・運営コスト・資産評価を一気に動かします。
しかも今後は、ホールライフカーボンの観点から、材料と循環の“説明”がより重要になります。

ポイント:
窓は「断熱部材」ではなく、事業KPI(稼働率・賃料・評価・保全)に直結する投資対象へ。
そして“ゆりかご(C2C)”は、解体後の循環を含めた投資ストーリーを成立させるための鍵になります。

7. 設計事務所・ディベロッパー様へ:これからの窓「3つの提案」

提案①:資産価値を“熱”ではなく“循環”で語れる外皮へ

断熱は当然。その上で、Cradle to Cradle(ゆりかご)、低炭素アルミ、リサイクルアルミ、EPD、環境ラベルなど、
将来の評価軸の変化に耐える言語を外皮に持たせる。
これが、企画段階の投資ストーリーを強くします。

提案②:大開口×細フレーム×高断熱=「売れる」意匠を正面突破する

プレミアム住宅も分譲マンションも、ホテルも、最後は体験価値です。
性能とデザインを二項対立させず、外皮で両立させる。
フォールディングドア、カーテンウォール、アルミサッシのディテールまで含めて、
“空間の品格”を仕様として積み上げる
ここにSchücoが強い理由があります。

提案③:入札・ESG・投資家説明で勝てる「証明書類」を最初から設計に組み込む

企画が進んでから証拠を集めると、説明コストが跳ね上がります。
だから最初から、低炭素素材・循環性・第三者検証の“筋”を引いておく。
それは、調達や入札だけでなく、運営・売却・リファイナンスの局面でも効いてきます。

設計・企画の会議で、そのまま使える一文(提案用)

「本プロジェクトの外皮は、断熱性能に加えて、リサイクルアルミ/低炭素アルミの採用と循環設計(ゆりかご)を前提に、
将来の評価軸(ホールライフカーボン・資源循環・ESG説明責任)に耐える“価値の残る仕様”として計画する。」

8. END:日本は“追いかける側”で終わらない

欧州が先を走っているのは事実です。
しかし日本は、今からでも「追いつく」ではなく、追い越す設計ができる。
まだ市場が固定化していないからです。

樹脂が良い・悪いではありません。これからの建物は、循環と証明で評価される。
そのとき外皮の選択は、「設備」ではなく「ブランド」になります。
世界には、Schücoが入っていること自体がマンションの銘柄になる国がある。
そして日本でも、近い将来、同じことが起こり得る——私はそう見ています。

C2Cが求める循環思想と、美しいアルミの審美性、そして実装可能な供給網。
この三点が揃った今、次のプロジェクトは「Schücoアルミ」を“未来の標準仕様”として採用してほしい。

Schüco 大開口フォールディング:建築体験を最大化する外皮
大開口は、意匠のためだけではない。価値のための仕様になる(Image: schueco.com)
PremiAL(プレミアル):循環型低炭素アルミ
リサイクルアルミ×高断熱×トリプルガラスが“当たり前”になる未来へ(Image: lixil.co.jp)
次の一手(プロジェクト検討の出発点)

  • 用途(分譲マンション/ホテル/オフィス/ショールーム)ごとに、外皮のKPI(快適・遮音・結露・保全・意匠)を先に定義する
  • 低炭素素材(リサイクルアルミ/低炭素アルミ)と“証明可能性(EPD等)”を、仕様書の骨格に入れる
  • 大開口・細フレーム・高断熱を、設計ディテールとして成立させ、ブランド体験に直結させる

SEO想定キーワード例
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※本文は、GBJシンポジウム(YouTube動画)で語られた問題意識を起点に、設計・事業の実務目線で再構成しています。画像は、提供画像およびSchüco/LIXIL/環境省の公開ページから参照しています。

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この記事を書いた人

Aikawaのアバター Aikawa (株)相川スリーエフ  代表取締役会長CEO

新日軽(現LIXIL)船橋カレッジでビルサッシ技術を基礎から徹底的に習得し、施工・品質管理・現場調整まで一連の工程を実務で経験。

1947年創業の相川スリーエフ三代目として、建材から建築へと事業領域を拡大。
現在はドイツSchüco製品の国内展開を牽引し、設計事務所・ディベロッパー向けの技術支援体制を直轄で統括している。

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